756: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 03/03/29 18:56
別サイトに掲載されてて、このスレの投票所でも結構人気のある 
「分からないほうがいい」って話あるじゃないですか。 
その話、自分が子供の頃体験した事と、恐ろしく似てたんです。 
 
それで、体験した事自体は全然怖くないのですが、その 
「分からないほうがいい」と重ね合わせると、凄い怖かったので、 
その体験話を元に「分からないほうがいい」と混ぜて 
詳しく書いてみたんですが、載せてもいいでしょうか?
 

引用元: 洒落にならないくらい恐い話を集めてみない?Part31







757: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 03/03/29 19:00
>>756
いいよ。

759: 756(1/5) 03/03/29 19:18
これは小さい頃、秋田にある祖母の実家に帰省した時の事である。
年に一度のお盆にしか訪れる事のない祖母の家に着いた僕は、早速大はしゃぎで兄と外に
遊びに行った。都会とは違い、空気が断然うまい。僕は、爽やかな風を浴びながら、兄と
田んぼの周りを駆け回った。

そして、日が登りきり、真昼に差し掛かった頃、ピタリと風か止んだ。と思ったら、気持
ち悪いぐらいの生緩い風が吹いてきた。僕は、『ただでさえ暑いのに、何でこんな暖かい
風が吹いてくるんだよ!』と、さっきの爽快感を奪われた事で少し機嫌悪そうに言い放った。
すると、兄は、さっきから別な方向を見ている。その方向には案山子(かかし)が
ある。『あの案山子がどうしたの?』と兄に聞くと、兄は『いや、その向こうだ』と
言って、ますます目を凝らして見ている。僕も気になり、田んぼのずっと向こうをジーッと
見た。すると、確かに見える。何だ…あれは。

761: 756(2/5) 03/03/29 19:19
遠くからだからよく分からないが、人ぐらいの大きさの白い物体が、くねくねと動いている。
しかも周りには田んぼがあるだけ。近くに人がいるわけでもない。僕は一瞬奇妙に感じたが、
ひとまずこう解釈した。

『あれ、新種の案山子(かかし)じゃない?きっと!今まで動く案山子なんか無かった
から、農家の人か誰かが考えたんだ!多分さっきから吹いてる風で動いてるんだよ!』
兄は、僕のズバリ的確な解釈に納得した表情だったが、その表情は一瞬で消えた。

風がピタリと止んだのだ。しかし例の白い物体は相変わらずくねくねと動いている。兄は
『おい…まだ動いてるぞ…あれは一体何なんだ?』と驚いた口調で言い、気になって
しょうがなかったのか、兄は家に戻り、双眼鏡を持って再び現場にきた。兄は、
少々ワクワクした様子で、『最初俺が見てみるから、お前は少し待ってろよー!』と言い、
はりきって双眼鏡を覗いた。

762: 756(3/5) 03/03/29 19:20
すると、急に兄の顔に変化が生じた。みるみる真っ青になっていき、冷や汗をだくだく
流して、ついには持ってる双眼鏡を落とした。僕は、兄の変貌ぶりを恐れながらも、
兄に聞いてみた。『何だったの?』
兄はゆっくり答えた。
『わカらナいホうガいイ……』
すでに兄の声では無かった。兄はそのままヒタヒタと家に戻っていった。

僕は、すぐさま兄を真っ青にしたあの白い物体を見てやろうと、落ちてる双眼鏡を
取ろうとしたが、兄の言葉を聞いたせいか、見る勇気が無い。しかし気になる。
遠くから見たら、ただ白い物体が奇妙にくねくねと動いているだけだ。少し奇妙だが、
それ以上の恐怖感は起こらない。しかし、兄は…。よし、見るしかない。どんな物が兄に
恐怖を与えたのか、自分の目で確かめてやる!僕は、落ちてる双眼鏡を取って覗こうとした。

その時、祖父がすごいあせった様子でこっちに走ってきた。僕が『どうしたの?』と尋ねる前に、
すごい勢いで祖父が、『あの白い物体を見てはならん!見たのか!お前、その双眼鏡で見たのか!』
と迫ってきた。僕は『いや…まだ…』と少しキョドった感じで答えたら、祖父は『よかった…』
と言い、安心した様子でその場に泣き崩れた。僕は、わけの分からないまま、家に戻された。

763: 756(4/5) 03/03/29 19:22
帰ると、みんな泣いている。僕の事で?いや、違う。よく見ると、兄だけ狂ったように
笑いながら、まるであの白い物体のようにくねくね、くねくねと乱舞している。僕は、
その兄の姿に、あの白い物体よりもすごい恐怖感を覚えた。

そして家に帰る日、祖母がこう言った。『兄はここに置いといた方が暮らしやすいだろう。
あっちだと、狭いし、世間の事を考えたら数日も持たん…うちに置いといて、何年か
経ってから、田んぼに放してやるのが一番だ…。』
僕はその言葉を聞き、大声で泣き叫んだ。以前の兄の姿は、もう、無い。また来年実家に
行った時に会ったとしても、それはもう兄ではない。何でこんな事に…ついこの前まで仲良く
遊んでたのに、何で…。僕は、必死に涙を拭い、車に乗って、実家を離れた。

764: 756(5/5) 03/03/29 19:23
祖父たちが手を振ってる中で、変わり果てた兄が、一瞬、僕に手を振ったように見えた。
僕は、遠ざかってゆく中、兄の表情を見ようと、双眼鏡で覗いたら、兄は、確かに泣いていた。
表情は笑っていたが、今まで兄が一度も見せなかったような、最初で最後の悲しい笑顔だった。
そして、すぐ曲がり角を曲がったときにもう兄の姿は見えなくなったが、僕は涙を流しながら
ずっと双眼鏡を覗き続けた。『いつか…元に戻るよね…』そう思って、兄の元の姿を
懐かしみながら、緑が一面に広がる田んぼを見晴らしていた。そして、兄との思い出を
回想しながら、ただ双眼鏡を覗いていた。
…その時だった。
見てはいけないと分かっている物を、間近で見てしまったのだ。

『くねくね』

766: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 03/03/29 19:33
>>756

そのくねくねの正体はわからないままなの?
あと秋田のどこらへんですか?(秋田出身なので)

767: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 03/03/29 19:37
>>756
グッジョブ!漏れ的にこっちの方がイイぞ!
「分からないほうがいい」には無い
もの悲しさと気味悪さがまたイイ!
これで初めて読む人はもっと怖いんじゃ・・・

768: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 03/03/29 19:39
はじめて読んだんですが、怖さがわからないっす。
気味悪さは伝わりましたが。

769: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 03/03/29 19:42
正体が分からなすぎて恐怖が薄いな。
M.R.ジェイムズの短編に出てくる白いシーツなんて、状況描写
だけでもそら恐ろしかったんだが。

770: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 03/03/29 19:48
この話、怖いし、気持ち悪い!
秋田ではないが、田舎育ちにはたまらんな。
>>769
自分の場合は、正体が分からないほど気になって
怖くてたまりません。

771: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 03/03/29 19:51
てか、正体不明すぎるのが怖いんじゃないかと

772: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 03/03/29 19:54
つーかさ、>>768->>769って原作の方なんじゃないの?
どう考えてもこっちの方がリアルで怖いに決まってんじゃん。
アレンジされて好評得てる悔しさは分かるけどさ、
もうちょっとマナー守ろうよ。

773: 756 03/03/29 20:02
>>766
N代ですが、ちなみにくねくねには原作があるので、
実際くねくねしてるのは見てません。

>>772
オマエガナー 自分の感性を他人に押し付けるレスはやめようね。


774: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 03/03/29 20:02
全然怖くなかった。
つーか「なんでおまえは平気なの?」と思ってしまった。

775: 766 03/03/29 20:06
>>756
隣の市です、、、、。(怖
文体が丁寧で逆に怖かったッス。乙です。

776: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 03/03/29 20:08
>>774
見たとしてもわからなければ(・∀・)イイ!!ということではないだろうか